視神経疾患

視神経疾患

視神経疾患とは

視神経とは、目から入ってくる情報を脳に伝えるための電線のような役割をしています。代表的な疾患として、視神経炎と虚血性視神経症があります。

視神経炎

視神経になんらかの炎症が起こると、視力や視野が障害されます。日本では、とくに原因がない(特発性)視神経炎が多く、感冒症状などを前駆症状として、眼球運動痛を伴い、片眼もしくは両眼に発症することが多いとされています。原因がある視神経炎としては、「抗アクアポリン4抗体」という特殊な自己抗体によるものなどがあります。

治療としては成人の特発性視神経炎においては、ステロイドを一定期間で大量に点滴するステロイドパルス療法が第一選択となります。加えて、抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の場合、重篤化したり、再発したりしやすいため、抗体を除去するための血渠交換が導入される場合もあります。

虚血性視神経症

虚血性視神経症は、視神経の血流障害により、視力障害や視野障害が起こる疾患です。加齢や高血圧よる動脈硬化、糖尿病などの慢性疾患を背景に発症することが多いです。一方動脈炎性虚血性視神経症があります。側頭動脈炎は新規発症の頭痛や、全身倦怠感などの全身症状を伴うことが特徴です。虚血性視神経症を認める場合、血液検査などにより、全身疾患の検索を行います。側頭動脈炎が原因の場合は、急性期の炎症を抑えるために、速やかにステロイドによる点滴治療を導入します。その他の原因で虚血性視神経症が起こっている場合は、ステロイドを内服したり、血管拡張薬、ビタミン剤などを内服したりします。